『海を感じる時』から恋愛を考える

映画『海を感じる時』から恋愛とは何かを考察しました。男女間での恋愛観の違いや作品のシーンから学ぶ恋愛学などを紹介します。

『海を感じる時』の作品紹介とあらすじについて

海を感じる時

『海を感じる時』の作品紹介

原作は1978年に発表された同名小説

原作は人気作家である中沢けいのデビュー作の同名小説です。1978年に第21回群像新人賞(講談社)を受賞しました。発表当時18歳で、現役女子高生であった著者が性について描写をしたことが衝撃的で、世間の話題を呼びベストセラーとなって大きな反響を巻き起こしました。

2014年9月映画化 市川由衣の体当たりの演技で話題に

2014年9月に監督安藤尋、ヒロインが市川由衣、相手役に池松壮亮で実写化されました。市川由衣が濡れ場でヌード姿を披露するなど大胆なシーンを含めて体当たりの演技をしたことで話題を呼びました。

多感な少女期の心の戸惑いを鮮やかに描写

1人の少女が大人の女性に成長していく過程について、男女関係や家族との衝突を交えて描かれています。作中では心が満たされたい女性の恋愛観と、体(性)が抑えられない男性の恋愛観の違いが表され、その違いにもがきながらも繋がり、葛藤する2人の姿が濃密に描写されています。

『海を感じる時』のあらすじ

時代背景は1970年代後半の海沿いの街。(市川由衣演じる)恵美子と(池松壮亮が演じる)洋は、高校で新聞部の先輩後輩の関係。ある日二人きりの部室で、洋が恵美子に突然キスを迫る。『決して君が好きな訳じゃない。ただキスがしてみたい』からと。衝動的に体を預けた恵美子は『前から好きでした』と打ち明けるが、洋は『女の人の体に興味があっただけ。(キスは)君じゃなくても良かった』と冷たく当たる。しかし、父親を幼くして亡くし、厳格な母親に育てられたことで愛を知らずに育った恵美子は『少しでも私を必要としてくれるなら、カラダの関係だけでもいい』と洋にカラダを差し出すように。洋は「ダメになっちまう」と口では拒みながらも、「あんたを大切にしてやれない。手が出ちゃうんだ」と結局恵美子のカラダを求めてしまうことが続いていた。

洋が高校を卒業し進学の為に状況した後、恵美子も後をおって上京し、2人の関係は続いていた。次第に「女」として目覚め、恵美子は洋の心を求めて身体(性)を差し出していたけれど、洋の身体には心が不在となっていることに気づく。他方、洋は次第に恵美子に感情を抱くようになったが、そしてそこには恵美子をもう心が無かった。とある事件をきっかけに恵美子の心は浩から離れてしまう。結果、洋と恵美子の感情はすれ違い、立場も逆転する。

作品では心が満たされなくて身体(性)を差し出す恵美子と、身体(性)が満たされなくて恵美子を受け入れる洋といった、1970年代における若々しい10代の若者の性別による恋愛観の違いが描かれています。そして恋愛が満たすものは心なのか、身体なのかという難しい問いに直面します。

本サイトでは『海を感じる時』を通して、男女間での恋愛観の違いや作品のシーンから学ぶ恋愛学をまとめました。

2016/07/13